足の外科虎の穴

足の外科を生業とする整形外科医 小林勇人のホームページ

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ジャーナル投稿記

Foot Ankle Surg投稿記

Journal Cover

2025年11月2日に自身9本目のfirst authorかつimpact factor付英語論文がacceptされました。

2025年4月16日… 日記には奇しくも父の五回忌となる4月16日に”START YOUR ENGINE!”とあるので、論文草稿を書き始めたはず… 。博多のリウマチ学会、東京の日整会会期中も夕方からホテルに籠って論文を書きまくっていた記憶があります。妻・子供達を放っぱらかしてばかりの申し訳ない日々が続く… (塾の送迎は頑張りました)。

5月31日… いろいろ悩んで投稿先をEFASのFoot Ankle Surg (impact factor 2.0)にロックオン。肝いりの論文のため、今回ばかりはチト自信あり。

6月3日… 論文校正に依頼、4,819 wordsで¥34,455也(自腹)。

6月12日… Submitted to Journal 同日にmanuscript number “FAS-D-25-00272″をいただきWith Editorとなる。無事にdesk rejectの第1関門を突破。

6月22日… Under Review (1) Review invitations accepted: 1人目。

6月28日… Under Review (2) Review invitations accepted: 2人目。

7月20日… Review completed (1) Reviewer #1の査読完了?

8月10日… Require Reviews Completed Reviewer #2の査読完了?

8月11日… Review Complete 担当Editorによる査読評価完了?

8月14日… Decision in Process

8月15日… Revise (Date Revision Due Oct 04, 2025) 50日以内に修正・返答せよとの指令あり。Reviewer #1/Reviewer #2とも3つずつ、合計6つのコメントの超minor revisionで助かる。査読ガチャは当たりか(笑)? Submission to decision after reviewは64日。

Reviewer #1 : (前略) The manuscript is a pleasure to read and there remain a few questions, only (後略). I have to say that I like the paper very much. It is well written, and underlying idea is clever (後略).
Reviewer #2 : (前略) Still I think the results merit publication, if the above mentioned aspect are included in the discussion. Congratulations to the authors for their work (原文ママ).

8月18日… 寝る暇も惜しんでRespose to Reviewersを作成し、再度英文校正を依頼。615 wordsで¥5,500也(自腹)。

8月20日… Revision Submitted to Journal 再投稿後いきなりWith Editorとなる。丁寧に完璧に返答、修正したつもりだったので楽勝と思いきや… 。

9月11日… Under Review なんと散々待たされて再査読に回された(驚!)。

9月12日… Reviews Completed

10月14日… Author query Editorial Managerのstatusが延々とUnder Reviewの状態だったので、遂に我慢できず催促のメールを送信しちゃいました。

This is with regard to our re-submitted manuscript, FAS-D-25-00272R1, titled “○×▲□” initially submitted to your journal for consideration as an Original Article on June 12, 2025 and re-submitted on August 20, 2025. I see that current status of our manuscript remains “Under Review.” We would greatly appreciate if you check it and let us know when we can expect notice regarding the final decision. Thank you for your time and consideration. We look forward to hearing from you…

10月21日… Re: Author query 1週間後にManaging Editorから返事がきました。

Thank you for your email. Your article is currently with the Editor for his decision please be assured that as soon as the Editor has made his decision you will be notified (原文ママ). え”っ、Under Reviewなのに?

11月2日… Decision in Process アムロレイじゃないけど…「来る!」

11月3日… Accept 現地時間は2 Nov 2025のようだ。Sumission to acceptanceは143日と標準的でした。

I am pleased to inform you that your paper “○×▲□” has been accepted for publication in Foot and Ankle Surgery. Below are comments from the editor and reviewers (後略).

Reviewer #1: The authors have addressed all comments and recommendations given by the reviewers. The subsequent revised manuscript has considerably gained clarity and value for the readership of FAS (原文ママ).

11月4日… Rights and Access/Offprint Order 人生最後の英語論文かもしれないので、三度open accessを選択。JPY 533,330(net) + 53,333(tax) = 586,663(total)でした。2017年に同じElsevierでOriginal articleをopen accessにした際は25.1万円だったので、数年で倍以上になっていてびっくり! 普段問題なく使っているVISAのクレカ払いが上手く行かず(某joyca)、日整会のVISAカードで1時間近くかかって支払いを終える。某joycaは支払いに5回以上失敗したのでカード会社にロックされたと心配しましたが、その後も普通に使えるという不思議ちゃん(3Dセキュア、支払い上限など問題はないはずだが… 原因は不明)。

11月4日… Published Online 早っ! Pre-proofがScienceDirectで見れるようになりました。長年の努力が報われた瞬間です。やっぱ論文は世界中の人に読んでもらわないと… 。

11月5日… Proofs available Elsevierさんマジで仕事が早いんだが… 。次から次へとメールが送られてきてacceptされた日からメール対応で寝不足が続く。おまけに私がやらかした複数のtypographical errorも何事もなかったように修正されている。おかげで修正なしで返信できちゃいました。

11月7日… Corrected proof available online https://doi.org/10.1016/j.fas.2025.11.002

11月9日… PubMed収載 世界中から検索可能になる。

To be continued.

あっ、ちなみには私はアナログ派なのでChatGPTなどの生成AIは一切使わずに昔ながらのやり方で論文を書いています。

Mod Rheumatol Case Rep投稿記

Cover image of current issue from Modern Rheumatology Case Reports

先日久し振りに某論文が英文ジャーナルに掲載されました(詳しくはこちら)。Modern Rheumatology Case Reports (MRCR)はケースレポート誌としては珍しく、Web of ScienceのEmerging Sources Citation Index に収載されており、2023年に初のimpact factor (IF)を取得することになっているようです(6月29日追記: IF 0.8)。

Received: 23 March 2023, Revision received: 12 May 2023, Accepted: 5 Jun 2023, Published: 10 Jun 2023, Corrected and typeset: 21 Jun 2023. 日常診療で大変忙しい中、迅速な査読をしていただいたエディターおよび2名の査読者の先生方、誠にありがとうございます。

MRCRはいわゆるオープンアクセス誌ではないですが、誰でも論文を読めるよう今回もオープンアクセス化のため$1,000を支払いました(>_<)。

私が筆頭著者であるIF付き英語論文は8編(詳しくはこちら)となりましたが、これで生涯打率(Accept/ Accept+Reject+Decline to Revise)は、8編/18編で4割4分4厘となりました。一般にIF付き論文の採用率は20~50%と言われていますので、こんなもんですかねぇ(Aクラス入りはまだ遠い… )。ちなみに数あるReject論文の中には最終的に再投稿を諦めてお蔵入りとなった論文が3編もあります(笑)。他にReviseを指示されるもどうにも修正不能でRebuttal letterが作成できず、泣く泣くDecline to Reviseとなった論文が2編… 。

医者を引退するまでにあと2~3編英語論文を執筆できるるよう、まだまだこれからも頑張ります。

American College of Foot and Ankle Surgeons®のconsensus statementに引用されました

2020年8月7日に発表されたAmerican College of Foot and Ankle Surgeons®の consensus statement に、私が2015年に発表した英語論文が引用されました。簡単に言えば、足関節症(炎)の診療ガイドライン(のようなもの)の参考文献のひとつに選ばれたのですが、自分の論文が世界的に評価され大変嬉しく思います。ガイドライン作成の根拠となる論文は、それなりの高い質(エビデンスレベル)が求められます。今後ともここ静岡から後世に影響を与えられるような研究論文を発表できればと思っております。

JFAS投稿記 (Part 4)

先日某論文がJournal of Foot & Ankle Surgery (JFAS)にめでたく採用されました(詳しくはこちら)。今思えばこの論文、要旨を発表した数年前の足の外科学会で某関東地方の評議員のセンセイに酷評されたり、他誌に1回rejectをくらったりと、いろいろと苦労した思い出があります(笑)。 (さらに…)

Journal Impact Factor 2016

6月13日にJournal Impact Factor 2016 (以下IF)が発表されました。IFとは簡単に言えばジャーナルの格付けであり、レストラン業界におてるミシュランガイドのようなものです。しかしここで間違っていけないのはIF≠ ジャーナルの難易度であり、IF≠ 掲載論文の重要度ということです。とは言え論文の執筆や投稿にあたってはやはり気になるところです。以下のデータはJournal Impact Factor 2016からの抜粋です。 (さらに…)

Most Read Rank 1st

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なにやらJ Foot Ankle Surgに掲載された私の英語論文が、5月10日現在Most ReadのRank 1stとなっているようです。こんな事態(良い意味での炎上)は全く予想していなかったので、記念にスマホのスクリーンショットで画像を保存してみました。 (さらに…)

整形・災害外科に総説が掲載されました

『整形・災害外科』2015年8月増大号の特集『足の外科最新手術のコツと落とし穴』に総説が掲載されました。タイトルは「変形性足関節症に対する遠位脛骨骨切り術-プレートを用いた術式-」ですが、内容は「足の外科医」でもかなり上級者向けとなっていますので、残念ながら一般の方々には多分理解不能です(一般整形外科医でもキビシイ… )。 (さらに…)

JFAS投稿記 (Part 3)

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先日某英語論文がJournal of Foot & Ankle Surgery (JFAS)にめでたく三度acceptされました。今回の英語論文は私が最も力を入れている関節温存手術(joint-preserving osteotomy procedure)だったので、当院の成果が世界に認められたのはこの上ない喜びです。 (さらに…)

衝撃的な結果

先日興味深い論文を見つけました。“Worldwide productivity in the field of foot and ankle research from 2009-2013: a bibliometric analysis of highly cited journals. Luo et al. J Foot Ankle Res 2015” なにやら2009-2013年に足の外科のメジャー4誌(J Foot Ankle Res [IF: 1.831]、Foot Ankle Int [1.626]、J Foot Ankle Surg [0.979]、Foot Ankle Clin [0.844])に掲載された論文2083本の国別対抗戦の解析のようです。 (さらに…)