関節リウマチによる前足部変形には、①外反母趾および内反小趾、②開帳足、③鷲爪趾およびハンマー足趾変形などがあります。いずれも滑膜組織が豊富な中足趾節(MTP)関節における炎症が主因であるため、抗リウマチ薬による病勢のコントロールが重要です。また疼痛や変形は履物と深く関わっており、中足骨パッド付き足底挿板や柔らかい幅広の靴を使用することも大切です。中後足部変形には
外反扁平足(成人期扁平足)がありますが、基本となる薬物療法に加え、アーチサポート付き足部サポーターなどで変形の進行を予防します。近年生物学的製剤の登場や、メトトレキセート(MTX)の投与上限量が8mgから16mg/週まで引き上げられたことなどにより、重症リウマチ患者さんは減少し、手術も人工関節や関節固定術だけではなく、関節温存手術が行われるようになりました。
リウマチ前足部変形に対する人工趾関節置換術と切除関節形成術
リウマチ後足部変形に対する関節固定術