アキレス腱周囲炎は炎症がパラテノンに限局するものであるのに対し、アキレス腱炎は病変が腱実質まで及ぶものとされますが、実際には両者の鑑別は困難であり、アキレス腱付着部炎と併せてアキレス腱症といいます。オーバーユースが原因であるため、局所の安静を保ち、炎症が強い場合は消炎鎮痛剤を併用します(
ステロイドの局所注射は
禁忌)。また腱の負担を軽減させるアーチサポートの使用や、若干踵部の高いクッション性の良い靴を履くことが良いとされます。再発予防には運動前後のアキレス腱のストレッチングが重要です。
左アキレス腱付着部に肥厚を認める(上)。レントゲンでは踵骨後方隆起の石灰化を、MRI T2強調像ではアキレス腱実質に高輝度変化を認める(下)。