足の外科虎の穴

足の外科を生業とする整形外科医 小林勇人のホームページ

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外反母趾
先天的に長い母趾(エジプト型の足)、関節炎、ハイヒールなど踵の高い靴の使用が原因で母趾の付け根(バニオン)が突出し、靴により圧迫を受ける病態を外反母趾といいます。進行すると足底に胼胝(たこ)が形成され、母趾以外の趾の変形(ハンマー足趾、バニオネット)が問題となります。治療はまず爪先の広い靴の使用を心掛け、母趾周囲筋群のストレッチ(外反母趾体操)を行います。一般に外反母趾装具自体には変形矯正の効果がないため、疼痛のみならず変形の改善を希望する場合は手術が必要となります。第1中足骨骨切り術により矯正する方法は150種類以上の術式が報告されていますが、大別すると軽度から中等度の変形には遠位骨切り術が、重度の変形には近位骨切り術が行われています。当院では基本的に最少侵襲骨切り術であるDLMO(デルモ)法を行っておりますが、一部の重症例に対しては外側解離を加えております。尚、キルシュナー鋼線は術後4~5週で抜去し、前足部での荷重を抑える歩行用装具を数か月使用します。


※写真はDLMO法と遠位脛骨斜め骨切り術を同時施行