足の外科虎の穴

足の外科を生業とする整形外科医 小林勇人のホームページ

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整形外科な日々

第50回日本足の外科学会

先日軽井沢プリンスホテルで開催された第50回日本足の外科学会に参加してきました。水曜日に7:45発ひかりに乗り、東京経由で10:10に軽井沢に到着しました。 この時期の軽井沢は最低気温0℃、最高気温が12~13℃とほぼ静岡市の真冬と同じ位の気温で寒かったです(その分紅葉はきれいでした)。人工降雪と思いますが既に駅前のスキー場がオープンしていました。

Day 0… まだ学会前日のため案内看板がなく ため会場を探すのに一苦労。受付でネームカードを受け取り後、11:00から13:55までParagon28共催のMyerson先生によるスペシャルセミナーを堪能しました。終了後間もなく14:00から17:00までプレコングレスセッションとトイレ休憩もないくらいタイトなスケジュールでした(みなさん同じトイレに行けない… )。翌日は早朝の発表のため、前日にスライド受付を済ましDay 0は終了、新幹線で隣駅の佐久平に向かいました。

Day 1… 朝食はパスし6:24の新幹線で軽井沢に向かいました(所要時間9分)。私は7:50からの主題 変形性足関節症の新たな展開 2のセッション1番目で口演(5分)させていただきました。内容は直前の11月2日にアクセプトされた英語論文と同一だったため、いろんな意味でやりやすかったです(この分野でよくあるディすりもなし)。

その後基調(理事長)講演、ランチョンセミナー(シンデスモーシス×2)、会長講演を拝聴しました。日本の足の外科の巨人の講演に今更ながら心を打たれました。

午後からは50周年記念式典が延々と続き、19時から全員懇親会で大学の旧友と歓談しました。4:30起床でさすがに疲れていたため、酒も飲まずに早めに会場をあとにし、19:53軽井沢発の新幹線でホテルに戻りました。

Day 2… この日も朝食をパスし、6:24の始発新幹線で会場に向かいました。シンポジウム(×3: 外反母趾、人工足関節、骨切り術)、ランチョンセミナー(×2: リスフラン、DTOO) 。この日は変則的に11:00と12:10に2回もランチョンセミナーがあり、この年で昼に2食はさすがに食べ過ぎでした。 特別企画の「英語論文作成の道しるべ」では論文査読の裏側を垣間見ることができて大変勉強になりました。次で筆頭著者でIF付き英語論文は10本目… 頑張ります。

流石にお疲れ気味のため最終セッションはパスし、軽井沢プリンスショッピングプラザに立ち寄って新幹線でホテルに戻って休みました。運悪く週末が外科当番医のため翌日は早めに静岡に戻りました。

Foot Ankle Surg投稿記

Journal Cover

2025年11月2日に自身9本目のfirst authorかつimpact factor付英語論文がacceptされました。

2025年4月16日… 日記には奇しくも父の五回忌となる4月16日に”START YOUR ENGINE!”とあるので、論文草稿を書き始めたはず… 。博多のリウマチ学会、東京の日整会会期中も夕方からホテルに籠って論文を書きまくっていた記憶があります。妻・子供達を放っぱらかしてばかりの申し訳ない日々が続く… (塾の送迎は頑張りました)。

5月31日… いろいろ悩んで投稿先をEFASのFoot Ankle Surg (impact factor 2.0)にロックオン。肝いりの論文のため、今回ばかりはチト自信あり。

6月3日… 論文校正に依頼、4,819 wordsで¥34,455也(自腹)。

6月12日… Submitted to Journal 同日にmanuscript number “FAS-D-25-00272″をいただきWith Editorとなる。無事にdesk rejectの第1関門を突破。

6月22日… Under Review (1) Review invitations accepted: 1人目。

6月28日… Under Review (2) Review invitations accepted: 2人目。

7月20日… Review completed (1) Reviewer #1の査読完了?

8月10日… Require Reviews Completed Reviewer #2の査読完了?

8月11日… Review Complete 担当Editorによる査読評価完了?

8月14日… Decision in Process

8月15日… Revise (Date Revision Due Oct 04, 2025) 50日以内に修正・返答せよとの指令あり。Reviewer #1/Reviewer #2とも3つずつ、合計6つのコメントの超minor revisionで助かる。査読ガチャは当たりか(笑)? Submission to decision after reviewは64日。

Reviewer #1 : (前略) The manuscript is a pleasure to read and there remain a few questions, only (後略). I have to say that I like the paper very much. It is well written, and underlying idea is clever (後略).
Reviewer #2 : (前略) Still I think the results merit publication, if the above mentioned aspect are included in the discussion. Congratulations to the authors for their work (原文ママ).

8月18日… 寝る暇も惜しんでRespose to Reviewersを作成し、再度英文校正を依頼。615 wordsで¥5,500也(自腹)。

8月20日… Revision Submitted to Journal 再投稿後いきなりWith Editorとなる。丁寧に完璧に返答、修正したつもりだったので楽勝と思いきや… 。

9月11日… Under Review なんと散々待たされて再査読に回された(驚!)。

9月12日… Reviews Completed

10月14日… Author query Editorial Managerのstatusが延々とUnder Reviewの状態だったので、遂に我慢できず催促のメールを送信しちゃいました。

This is with regard to our re-submitted manuscript, FAS-D-25-00272R1, titled “○×▲□” initially submitted to your journal for consideration as an Original Article on June 12, 2025 and re-submitted on August 20, 2025. I see that current status of our manuscript remains “Under Review.” We would greatly appreciate if you check it and let us know when we can expect notice regarding the final decision. Thank you for your time and consideration. We look forward to hearing from you…

10月21日… Re: Author query 1週間後にManaging Editorから返事がきました。

Thank you for your email. Your article is currently with the Editor for his decision please be assured that as soon as the Editor has made his decision you will be notified (原文ママ). え”っ、Under Reviewなのに?

11月2日… Decision in Process アムロレイじゃないけど…「来る!」

11月3日… Accept 現地時間は2 Nov 2025のようだ。Sumission to acceptanceは143日と標準的でした。

I am pleased to inform you that your paper “○×▲□” has been accepted for publication in Foot and Ankle Surgery. Below are comments from the editor and reviewers (後略).

Reviewer #1: The authors have addressed all comments and recommendations given by the reviewers. The subsequent revised manuscript has considerably gained clarity and value for the readership of FAS (原文ママ).

11月4日… Rights and Access/Offprint Order 人生最後の英語論文かもしれないので、三度open accessを選択。JPY 533,330(net) + 53,333(tax) = 586,663(total)でした。2017年に同じElsevierでOriginal articleをopen accessにした際は25.1万円だったので、数年で倍以上になっていてびっくり! 普段問題なく使っているVISAのクレカ払いが上手く行かず(某joyca)、日整会のVISAカードで1時間近くかかって支払いを終える。某joycaは支払いに5回以上失敗したのでカード会社にロックされたと心配しましたが、その後も普通に使えるという不思議ちゃん(3Dセキュア、支払い上限など問題はないはずだが… 原因は不明)。

11月4日… Published Online 早っ! Pre-proofがScienceDirectで見れるようになりました。長年の努力が報われた瞬間です。やっぱ論文は世界中の人に読んでもらわないと… 。

11月5日… Proofs available Elsevierさんマジで仕事が早いんだが… 。次から次へとメールが送られてきてacceptされた日からメール対応で寝不足が続く。おまけに私がやらかした複数のtypographical errorも何事もなかったように修正されている。おかげで修正なしで返信できちゃいました。

11月7日… Corrected proof available online https://doi.org/10.1016/j.fas.2025.11.002

11月9日… PubMed収載 世界中から検索可能になる。

To be continued.

あっ、ちなみには私はアナログ派なのでChatGPTなどの生成AIは一切使わずに昔ながらのやり方で論文を書いています。

第6回静岡足の外科フォーラム

懇親会@駿河区某所

9月27日静岡市葵区紺屋町のクーポール会館で第6回静岡足の外科フォーラムを開催いたしました。5題の症例検討会、当番幹事(私)によるミニレクチャー(足根骨癒合症)に続き、県外(山口県および長野県)から2名のguest speakerを招聘し、本会を無事開催することができました。ご協力いただいた先生方および関係各位の皆様にこの場をお借りし御礼申し上げます。

第98回日本整形外科学会学術総会

先日東京国際フォーラムおよびJPタワーで開催された第98回日本整形外科学会学術総会に参加してきました。東京で総会を開催するのは2010年以来の15年振りだそうです。確か当時も来た記憶がある… (ホテルメッツ田端に泊まった?)。

それにしてもまあ立派な施設ですが、巨大過ぎて会場間の移動に時間がかかる。会場到着が遅くなると立ち見や最悪入室できなくなるので、他の学会と比較するとなかなかストレスフルな3日間でした。

初日の夕方はサッカー元日本代表の小野伸二さんのトークショーがあり、主に怪我からの復帰について話されていました。実は左膝を怪我された日(1999年のオリンピック予選)、私は旧国立競技場で観戦していたのを今でも覚えています。25年以上経っているとは… 時が流れるのは早い。

夜は大学の同期および後輩の4名で銀座の鰻屋で懇親会を行い、その後有楽町の珈琲店に場所を移し23時に散会(閉店)となりました。普段はこんな夜更かしはしないので翌日は眠かった… 。

3日間ほぼみっちり教育研修講演を中心に拝聴して多くの日整会単位もゲットし、気分よく無事学会を終えることができました。主催された北大整形の先生方、遠方での開催大変お疲れさまでした。

第69回日本リウマチ学会総会

4月24日~26日に福岡国際会議場・サンパレス・国際センターで開催された第69回日本リウマチ学会に参加してきました。学会開催期間中は幸い天気もよく、大変有意義な時間を過ごせました。学生時代(山口・宇部)から何回か行ったことのあるキャナルシティ博多も大変懐かしかったです(当時とほぼ変わっていない?)。

肝心の学会の方ですが、2025年4月日整会専門医の資格を更新したので、なかなか他学会では専門医単位を取得しづらい基礎・小児・リハビリ・代謝性疾患・医療安全の講演を中心に拝聴しました。興味があって聴いているわけでもないので、途中意識を失うことも… (内容も理解不能?)。

今回の学会では中学・高校の同級生(某大学リウマチ科主任教授)の講演を初めて聴きました。内科系の最先端の内容であったため、私の理解度は15%程度… 。ただ元気に頑張っているようで刺激を受けました。

現在某論文がmanuscript in preparationの状態のため、さっさと終わるよう頑張ります。現在執筆中なので、英文校正、投稿、査読、却下ときどき受理まで2年くらいかな?

第49回日本足の外科学会学術集会

先日虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された第49回日本足の外科学会学術集会に参加してきました。6時22分静岡駅始発のこだまに乗り、品川駅で山手線に乗り換え浜松町駅で下車、その後は徒歩で学会会場に向かい、8時30分前に無事到着できました。

昔、虎ノ門ヒルズに来た記憶があると思ったら、2016年に日本下肢救済・足病学会に参加していたようです。当時も現在も足病学会の学会員ではないのですが、そのころトピックとなっていた陰圧閉鎖療法(NPWT)のhow toを学びに行った気がします(単に虎ノ門ヒルズに行ってみたかっただけ?)。

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1日目… ①変形性足関節症(骨切り vs 固定)、②人工足関節(前方 vs 外側進入)、③骨切りプレート(ランチョンセミナー)、④ポスター会場巡り、⑤外反母趾に伴う足趾変形、⑥新しい骨粗鬆症治療(イブニングセミナー)… 。

2日目… ⑦変形性足関節症(骨切り/人工骨)、⑧進行性扁平足(PCFD)、⑨足の外科治療の将来展望(ランチョンセミナー)、⑩ankle OAその他、⑪足部の外傷… 。

今回の学会で1番印象に残ったことは、変形性足関節症に対する骨切り術において、ロッキングプレートと人工骨の使用が、本邦においては標準的な術式となってきたことでしょうか。私が世界に先駆けて2012年に和文論文で、2015年に英文論文で発表した際は、学会会場で一部の先生方にかなり叩かれましたが、10年以上経った今ではその総大将が人工骨で有名な某メーカーとコラボをして専用ロッキングプレートを作成、ランチョンセミナーで宣伝するというまさかの展開… 。その昔、フロアから壇上のプレーターの演者に向かって言い続けたこと(討論というより不規則発言)を忘れてしまったんでしょうか… 時代は変わりましたねぇ。まあ私的には自分の論文が引用されれば過去のことはどうでもいいんですけど(笑)。後出しということもありマーケット的にはかなり厳しい気がしますが… 。

Kobayashi et al. J Foot Ankle Surg 2015

展示会場は超一等地での学会開催ため仕方ないのですが、なかなか手狭で蜜な状態でした。多分本邦初上陸と思われるメーカーもいくつかあり、どのブースも大変盛況でした。既存のメーカ―も生き残りをかけて大変でしょうなぁ。

学会期間中は天候に恵まれていましたが、季節が急に進んで2日目からは初冬という感じでした。いかに静岡市が冬暖かいか実感します。まったりとした静岡と比べると、都心は手狭で物価も高いので自分はとてもタワマン(ヒルズ)族にはなれんです(ランチが¥3,000~?) 。今回の学会で学んだこと生かせるようまた静岡で頑張ります。


学会会場で27年振りに再開した山大97卒の面々

日本スポーツ整形外科学会2024

先日大隈記念講堂(早稲田大学)、リーガロイヤルホテル東京で開催された日本スポーツ整形外科学会に参加してきました。3年ほど前に日本足の外科学会で同じ会場に来ましたが、日本スポーツ協会公認スポーツドクターの資格更新もあり、まさかの再来(viederkommen)となりました。

当日は6:22静岡始発の新幹線で会場に向かいましたが、受付を終えたのが9時半過ぎで朝イチのセッションは会場が満員で入れず残念賞… 。やはり会場が新幹線の駅から遠いと当日の現地入りは厳しいものがありますなぁ。品川駅から山手線で高田馬場駅下車、その後徒歩20分以上かかって早稲田キャンパスに到着しました。

早稲田大学は大隈記念講堂を除く(?)、ほとんどの建物がきれいに建て直されており、さすが私学の雄(羽振りが良い)という感じがします。実は2020年に亡くなった父親の母校が早稲田大学だったので、60年くらい前にこの界隈に父がいたかと思うと感慨深いものがあります。

学会期間中は天気もよく連日35℃近い暑さでしたが、会場はエアコンが効いて寒いくらい。「クールビスでお越しください」ということでしたが、メーカーさん(座長も)を中心にまだ背広いネクタイという方がいました。地球温暖化で学会も将来的には短パン& ポロシャツになる日が来るのでしょうか?

今回の学会では「OWHTOを安全・確実行う… 」と「リバース肩導入後の10年… 」の講演(ランチョンセミナー)が最も印象に残りました。どんどん新しいインプラントも開発導入されており、まだまだ学ぶべくことが多いことに気づかされた2日間でした。

第4回静岡足の外科フォーラム

9月7日に静岡市内で開催された「第4回静岡足の外科フォーラム」に参加しました。世話人会、症例検討会の後、教育研修講演、ハンズオン、最後に駅南の小料理店で懇親会と大変有意義な時間を過ごせました。

私は年功序列で次々回、来年9月頃に開催予定の「第6回静岡足の外科フォーラム」の世話人となりましたが、講師をどの先生に頼むのか、すでに今から悩んでいます(笑)。

第68回日本リウマチ学会

先日神戸コンベンションセンターで開催された第68回日本リウマチ学会総会・学術集会に参加してきました。神戸三宮界隈のホテルに前泊していたところ、豊後水道でM6.4の地震があり、愛媛県と高知県で最大深度6弱を観測、神戸市内でもゆっくりとした揺れを30秒ほど感じました(震度1?) 。幸い大事にはならなかったようですが、最近(ここ数年)大きな地震が多いですなぁ… 。

4月からJCR会員アプリの運用が始まり、研修単位の管理が大分スマートになりました。なんでもペーパーレス、デジタルの時代なので、電子マネーはクレカとTOICAしか使ったことのない自分 (現金派) もそろそろおサイフケータイなどを考えなければ… 。

肝心な学会は整形外科的な内容の教育研修講演を中心に拝聴しました。なかでも「エビデンスに基づいた清潔手術の感染対策… 」が秀逸で知識をupdateすることができました。今後CEZの術後投与を術後48時間から24時間短縮するか迷うところです。

それともう一つ感銘を受けたのが生成AI (ChatGPT)に関する講演、自分はこの辺はかなり音痴なので衝撃を受けました。今時は英語論文も公にAIで作成するするなんて、なんか違和感がありすぎです。良いんだか、悪いんだか… 。

幸い学会期間中は天気にも恵まれ、有意義な時間を過ごすことができました。今回のリウマチ学会で学んだことを糧に今後の診療を頑張ります。