足の外科虎の穴

足の外科を生業とする整形外科医 小林勇人のホームページ

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学会報告

第49回日本足の外科学会学術集会

先日虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された第49回日本足の外科学会学術集会に参加してきました。6時22分静岡駅始発のこだまに乗り、品川駅で山手線に乗り換え浜松町駅で下車、その後は徒歩で学会会場に向かい、8時30分前に無事到着できました。

昔、虎ノ門ヒルズに来た記憶があると思ったら、2016年に日本下肢救済・足病学会に参加していたようです。当時も現在も足病学会の学会員ではないのですが、そのころトピックとなっていた陰圧閉鎖療法(NPWT)のhow toを学びに行った気がします(単に虎ノ門ヒルズに行ってみたかっただけ?)。

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1日目… ①変形性足関節症(骨切り vs 固定)、②人工足関節(前方 vs 外側進入)、③骨切りプレート(ランチョンセミナー)、④ポスター会場巡り、⑤外反母趾に伴う足趾変形、⑥新しい骨粗鬆症治療(イブニングセミナー)… 。

2日目… ⑦変形性足関節症(骨切り/人工骨)、⑧進行性扁平足(PCFD)、⑨足の外科治療の将来展望(ランチョンセミナー)、⑩ankle OAその他、⑪足部の外傷… 。

今回の学会で1番印象に残ったことは、変形性足関節症に対する骨切り術において、ロッキングプレートと人工骨の使用が、本邦においては標準的な術式となってきたことでしょうか。私が世界に先駆けて2012年に和文論文で、2015年に英文論文で発表した際は、学会会場で一部の先生方にかなり叩かれましたが、10年以上経った今ではその総大将が人工骨で有名な某メーカーとコラボをして専用ロッキングプレートを作成、ランチョンセミナーで宣伝するというまさかの展開… 。その昔、フロアから壇上のプレーターの演者に向かって言い続けたこと(討論というより不規則発言)を忘れてしまったんでしょうか… 時代は変わりましたねぇ。まあ私的には自分の論文が引用されれば過去のことはどうでもいいんですけど(笑)。後出しということもありマーケット的にはかなり厳しい気がしますが… 。

Kobayashi et al. J Foot Ankle Surg 2015

展示会場は超一等地での学会開催ため仕方ないのですが、なかなか手狭で蜜な状態でした。多分本邦初上陸と思われるメーカーもいくつかあり、どのブースも大変盛況でした。既存のメーカ―も生き残りをかけて大変でしょうなぁ。

学会期間中は天候に恵まれていましたが、季節が急に進んで2日目からは初冬という感じでした。いかに静岡市が冬暖かいか実感します。まったりとした静岡と比べると、都心は手狭で物価も高いので自分はとてもタワマン(ヒルズ)族にはなれんです(ランチが¥3,000~?) 。今回の学会で学んだこと生かせるようまた静岡で頑張ります。


学会会場で27年振りに再開した山大97卒の面々

日本スポーツ整形外科学会2024

先日大隈記念講堂(早稲田大学)、リーガロイヤルホテル東京で開催された日本スポーツ整形外科学会に参加してきました。3年ほど前に日本足の外科学会で同じ会場に来ましたが、日本スポーツ協会公認スポーツドクターの資格更新もあり、まさかの再来(viederkommen)となりました。

当日は6:22静岡始発の新幹線で会場に向かいましたが、受付を終えたのが9時半過ぎで朝イチのセッションは会場が満員で入れず残念賞… 。やはり会場が新幹線の駅から遠いと当日の現地入りは厳しいものがありますなぁ。品川駅から山手線で高田馬場駅下車、その後徒歩20分以上かかって早稲田キャンパスに到着しました。

早稲田大学は大隈記念講堂を除く(?)、ほとんどの建物がきれいに建て直されており、さすが私学の雄(羽振りが良い)という感じがします。実は2020年に亡くなった父親の母校が早稲田大学だったので、60年くらい前にこの界隈に父がいたかと思うと感慨深いものがあります。

学会期間中は天気もよく連日35℃近い暑さでしたが、会場はエアコンが効いて寒いくらい。「クールビスでお越しください」ということでしたが、メーカーさん(座長も)を中心にまだ背広いネクタイという方がいました。地球温暖化で学会も将来的には短パン& ポロシャツになる日が来るのでしょうか?

今回の学会では「OWHTOを安全・確実行う… 」と「リバース肩導入後の10年… 」の講演(ランチョンセミナー)が最も印象に残りました。どんどん新しいインプラントも開発導入されており、まだまだ学ぶべくことが多いことに気づかされた2日間でした。

第4回静岡足の外科フォーラム

9月7日に静岡市内で開催された「第4回静岡足の外科フォーラム」に参加しました。世話人会、症例検討会の後、教育研修講演、ハンズオン、最後に駅南の小料理店で懇親会と大変有意義な時間を過ごせました。

私は年功序列で次々回、来年9月頃に開催予定の「第6回静岡足の外科フォーラム」の世話人となりましたが、講師をどの先生に頼むのか、すでに今から悩んでいます(笑)。

第68回日本リウマチ学会

先日神戸コンベンションセンターで開催された第68回日本リウマチ学会総会・学術集会に参加してきました。神戸三宮界隈のホテルに前泊していたところ、豊後水道でM6.4の地震があり、愛媛県と高知県で最大深度6弱を観測、神戸市内でもゆっくりとした揺れを30秒ほど感じました(震度1?) 。幸い大事にはならなかったようですが、最近(ここ数年)大きな地震が多いですなぁ… 。

4月からJCR会員アプリの運用が始まり、研修単位の管理が大分スマートになりました。なんでもペーパーレス、デジタルの時代なので、電子マネーはクレカとTOICAしか使ったことのない自分 (現金派) もそろそろおサイフケータイなどを考えなければ… 。

肝心な学会は整形外科的な内容の教育研修講演を中心に拝聴しました。なかでも「エビデンスに基づいた清潔手術の感染対策… 」が秀逸で知識をupdateすることができました。今後CEZの術後投与を術後48時間から24時間短縮するか迷うところです。

それともう一つ感銘を受けたのが生成AI (ChatGPT)に関する講演、自分はこの辺はかなり音痴なので衝撃を受けました。今時は英語論文も公にAIで作成するするなんて、なんか違和感がありすぎです。良いんだか、悪いんだか… 。

幸い学会期間中は天気にも恵まれ、有意義な時間を過ごすことができました。今回のリウマチ学会で学んだことを糧に今後の診療を頑張ります。

第54回日本人工関節学会

先日国立京都国際会館で開催された第54回日本人工関節学会に参加してきました。京都に学会で来るのはJCR 2019以来… その後コロナ禍で3年ほどWeb開催が続いたこともあり、京都の街は大分久し振りな気がします。連休ということもあり、新幹線やJR京都駅界隈は外国人観光客でごったがえしており、一時のコロナ禍が懐かしいです。

会場の国立京都国際会館は大分年季が入っているなぁと思ったら、なんと私が生まれるだいぶ前(1966年)に開設されており、日本で最初の国立の会議施設だそうです(もうすぐ60歳 !)。ちなみに参加受付とポスター会場となったNew Hallは前回来た際(コロナ禍前)にはなかった気がする… 。

股関節では15年ほど前に流行ったminimally invasive surgery (MIS)の演題が絶滅、ちょっと前までトピックスだったDual Mobility Cup (DMC)の話題は激減、最近の流行はCurved Short Stem (CSS)、THAアプローチおよびナヴィゲーション関連という印象でした。

膝関節ではmechanical、kinematic、functional alignmentの論争が延々脈々と続いておりました。静岡に来て19年同じTKA機種を使っていますが、きちんと手術をすれば日常生活レベルではどれもあまり結果は変わらない気がするのは自分だけでしょうか。

学会期間中は大変寒かったですが、そこそこ天気にも恵まれ良かったと思います(静岡は雨続きだったらしい)。日整会専門医更新に必要な50単位(2025年3月更新)も無事確保できたので、4月からの新年度も心機一転頑張りたいと思います。

第48回日本足の外科学会学術集会

先日グランフロント大阪のナレッジキャピタルコングレコンベンションセンター(舌噛みそう…)で開催されたJSSF 2023に参加してきました。大阪市内での学会開催はコロナ禍によるWEB開催の影響もあって、(私にとっては)大分久し振りの気がします。昔は大阪駅の北側にヨドバシカメラが目の前にありましたが、グランフロント大阪ができて大分景色が変わってしまいました。 学会会場は会場がコンパクトなためか妙に人口密度が高く、どの会場も盛況でした(休める場所がない?)。

1日目… ①基調講演(Next 50 years !)、②特別講演(Giantの説法… 20年前に聴きたかった)、③Joint preservation surgery of ankle arthritis (Dr. WC Lee)、④ランチョンセミナー(各種固定術)、⑤変形性足関節症、⑥重度外反母趾、⑦ポスター/器械展示… 器械展示は足の外科関連のインプラント展示のみなので、日整会総会や骨折治療学会などに比べると当然どのメーカーもこじんまりとしていました。

2日目… ①PCFD(午前一杯)、②ランチョンセミナー(外反母趾)、③重度外反母趾、④アキレス腱断裂など外傷関連のセッション。その後は早めに会場を後にし、大阪駅界隈(キタ)を散策しました。

以前大阪市内で学会といえば、中之島のグランキューブ大阪かリーガロイヤルホテルだった気がしますが、小・中規模の学会なら大阪駅近くのグランフロント大阪での開催が増えるのでしょうか。参加者にとってはホテルや商業施設に近いのでありがたい気がしますが、今後どうなることやら。

学会期間中は幸い天気もよく、久し振りの大阪を堪能できました(閉会後の夕方に天気予報通り大雨となったが… )。ここ5年足らずで大阪駅周囲が大分再開発され、見違えるようになりました。私が住んでいる静岡駅南口も今後2030年頃の供用開始を目指して再開発することが最近決定したので、今から楽しみにしいます(その頃は60歳かぁ… )。

日本スポーツ整形外科学会2023

先日リーガロイヤルホテル広島と広島グリーンアリーナで開催された日本スポーツ整形外科学会2023に参加してきました。梅雨の最盛期ということもあり、3日間の学会期間中に晴れていたのは初日の数時間だけだった気がします。3日目の未明にお隣山口県では線状降水帯が発生模様、夕方には山陽新幹線も運休となるなど、雨、豪雨、雨の繰り返しで、とにかく傘が手放せなかった学会でした… 。ちなみに私は普段長靴の代わりにしているTimberlandのブーツで参加(笑)。

広島グリーンアリーナは、2013年に日本整形外科学会総会と、約30年前に西医体(バレーボール)で来た気がします(時期はあいまい)。医学生の分際でこんな立派なアリーナで試合しちゃっていいの? って当時思った記憶があります。

今回の学会では普段自分が講演を聴くこと機会が少ない、肩、手、股関節の基礎的なセッションを中心に拝聴しました。割と自分が知らないことが多いことも改めて気づかされました。器械展示では新しいデバイスも数多く発売されており、悲しいことに若干 ‘浦島太郎状態’ でした。会場が広すぎるせいか、日整会総会やリウマチ学会総会に比べてやや閑散?という印象を受けました。

静岡に戻る最終日は皮肉にも晴天となり、天気を気にすることなく無事に自宅帰ることができました。英語論文も無事にacceptされ、心機一転7月からまた頑張りたいと思います。

JCR2023アニュアルコースレクチャー

先日福岡国際会議場で開催された第67回日本リウマチ学会の(前日に併催された)アニュアルコースレクチャー(ACL)に参加してきました。

前日に静岡始発(6:42)のひかりに乗ったところ、三河安城~名古屋間に線路内に人が立ち入ったため安全確認のため緊急停車し(その後三河安城駅にて待機)、最終的に博多到着が1時間弱遅れました。その後のニュースでも「新幹線特例法」で誰かが逮捕されたという情報もなく、なんとなくうやむやになっているようです(人との接触はなかった模様)。なんとも人迷惑な話です… 。

博多駅に到着したら駅ビル(デイトス博多)内のらーめん二男坊に行ってみました。こちらの本店は2009年福岡らーめん総選挙で1位となった有名店のようです。私は博多セット(¥1,300)をいただき、人生初めての替え玉(¥150)も体験しました。元々とんこつラーメン(特にこってりした家系)は少し苦手でしたが、二男坊さんのとんこつは美味しかったです。

(ACL 1) 免疫学の新知識、(ACL 2) リウマチ膠原病治療の進歩、(ACL 3) 体軸性脊椎関節炎、(ACL 4) MTXの適正使用、(ACL 5) 関節リウマチの手術とリハビリ、(ACL 6) 医療安全、(ACL 7) 骨粗鬆症… ACL 1, 2は内容が難しすぎてほとんど理解できず(守備範囲外)。今回も一時意識が消失し、頚が痛くなりました(笑)。

専門医制度単位、ACL出席(7単位)と医療安全(1単位)を無事取得し、19:03博多発ののぞみに乗り、名古屋でひかりに乗り換え、22:07静岡に無事到着しました。

第53回日本人工関節学会

先日パシフィコ横浜ノースで開催された第53回日本人工関節学会に参加しました。学会1日目の6時22分静岡発のこだまに乗り、7時40分頃桜木町に到着、8時15分の教育研修講演にギリギリ間に合いました。久々の満員電車はキツかったです。

1日目… ①THA(解剖・関節包靱帯)、②セメントTHA、③TKA(アライメント@ランチョンセミナー)、④拘束型TKA、⑤人工関節周囲感染。1日目は移動もあり、疲れていたので早めに会場を後にし、ホテルにチェックインしました。

2日目… ⑥THA後ARMD、⑦THA再置換術、⑧高度変形TKA、⑨、ロボット手術(@ランチョンセミナー)、⑩セメントレスステム分類。器械展示のブースはどのメーカーもナビゲーション、ロボット手術関連がメインとなっており、時代の流れを感じます。

学会期間中は天気も良く、2日間みっちりと講演を聴いて夕方から久し振りの横浜を堪能し、翌日静岡に戻りました。

第47回日本足の外科学会

先日アイテムえひめで開催された第47回日本足の外科学会に参加してきました。前日の午前8時21分静岡発のこだまに乗り、名古屋でのぞみに乗り換え、岡山で在来線の特急しおさい(アンパン号)に再度乗り換え、午後2時13分に松山駅に到着しました。四国に来るのは、2011年に高知で開催された中部日本整形外科災害外科学会以来のような気がします。

1日目… 学会で手配されたシャトルバスがあるようでしたが、乗車場所が自分の泊まっているホテルから遠く、かつ朝イチのバスは満員で乗れない気がしたので、伊予鉄で松山市駅から山西駅まで郊外電車に乗り、そこからは会場まで約2kmを徒歩で移動しました。会場で3年ぶりに山口大学の同期(O先生)と再会し、リアル学会の素晴らしさを感じました。ちなみに東北地方のある大学は、まだ県外への移動を禁止されているようです。

①足関節骨折、②外反母趾、③外側侵入TAA(ランチョンセミナー)、④足の外科における用語改定(教育研修講演)、⑤足関節OA(骨切り術)、⑥足関節OA(その他)… ここ数年のホットな話題はZ-TMAですが、追加手術や合併症などのトラブルも少なくなく、自分は今後も”don’t touch”のような気がします。

夕方からは静岡県内の先生方7名(ほか2名)で、久し振りの食事会を楽しみました。コロナ禍が始まってからは全ての飲食を伴う会合がなくなっているので、アルコールを飲んだのは3年振りでした。コップ1杯のビールでしたが、久し振りだったので結構きつかった… 。

2日目… ⑦PCFD、⑧oblique osteotomy、⑨小児足部・足関節変形、⑩人工距骨… PCFDの分類・治療アルゴリズムは相変わらず難解で、最近自分は半ば理解することを諦めている気がします。

夕方からは愛媛に来たらどうしても外せない道後温泉に向かい、改修中の道後温泉本館で日本三古泉をゆっくりと堪能し、充実したリアル学会は無事終わりました。