6月13日にJournal Impact Factor 2016 (以下IF)が発表されました。IFとは簡単に言えばジャーナルの格付けであり、レストラン業界におてるミシュランガイドのようなものです。しかしここで間違っていけないのはIF≠ ジャーナルの難易度であり、IF≠ 掲載論文の重要度ということです。とは言え論文の執筆や投稿にあたってはやはり気になるところです。以下のデータはJournal Impact Factor 2016からの抜粋です。
整形外科トップ3… ①J Bone Joint Surg Am (5.163)、②Osteoarthritis Cartilage (4.535)、③Am J Sport Med (4.517) 昨年と比べてrank 2ndと3rdが入れ替わったようです。JBJS Amは2年続けて5点台で首位をキープしており安定しています。
国内英文雑誌… ①Mod Rheumatol (1.843)、②J Orthop Sci (1.154) なんとMRがIF 2点台から陥落してしまいました。MRは2016年6月末で、IFの足を引っ張る原因であるcase reportの投稿受付を終了しましたが、今まで上昇傾向にあったIFが、一転下落傾向になったのと関係があるのかもしれません。学会が目指している(?)世界3大リウマチ誌はまだまだ遠いようです。その一方、JOSは1点台を回復しました。
足の外科専門誌… ①Foot Ankle Int (1.896)、②J Foot Ankle Res (1.481)、③Clin Podiatr Med Surg (1.181)、④Foot Ankle Surg (1.092)、⑤J Foot Ankle Surg (1.066)、⑥Foot Ankle Clin (0.794)、⑦J Am Podiatr Med Assoc (0.483) 特筆すべきことはClin Podiatr Med Surg (0.561→1.181)の大躍進とFoot Ankle Surgに初めてIFがついたことでしょうか。FAIも順調にIFを伸ばしているようです。ちなみに③、⑥はinvited review articleのみの雑誌なので、私のような一般人が投稿できるのは①、②、④、⑤、⑦だけです。どうせ苦労して英文誌に投稿するなら、なんとかIFのある雑誌を狙いたいものです。
ネットではオープンアクセス誌であるSpringerPlusが6月13日をもって新規投稿を終了、12月末で廃刊(Springer Openに統合)という話題で盛り上がっているようです。SpringerPlusは今年初めてのIF 0.982がついたようですが、SpringerのHPによると「投稿内容のジャンルが広すぎてこれ以上は無理!」というのが廃刊の理由のようです。なんか新手の詐欺(投稿料は$1,110)のようで、今までに投稿した、もしくは現在投稿中の著者は大変お気の毒です。