先日某英語論文がJournal of Foot & Ankle Surgery (JFAS)にめでたくacceptされました。近年、特にインパクトファクターを有するジャーナルへの投稿数が爆発的に伸び続けているようです。今回私は初めてElsevier Editorial Systemのお世話になったので、今後JFASに投稿を考えている先生方への一助にでもなれば幸いです(ちなみにJFASにはarticle historyの掲載はありません)。
2013年12月26日 Submitted to Journal
12月29日 With Editor (MS # JFAS-13-391)… 2013年末に投稿したので、年間の総投稿数は400本前後? とても全てをReviewerに回すわけにはいかないので、相当な割合でeditor kick (門前払い)されているはずです。
2014年1月4日 Under Review (1)
1月10日 Under Review (2)
1月22日 Under Review (3)… ✖▽(-”-)!? Reviewer #3ということはReviewer #1とReviewer #2で判定が割れた(ボクシングでいえばsplit decision) ? この時点で段々と嫌な予感がしてきました(笑)。
1月30日 Required Reviews Completed
2月4日 Decision in Process… キター! 当時別大マラソンで別府にいたのですが、気になってスタート直前までスマホでチェック。ゴールした直後にも再度チェックと暇さえあればスマホでJFASのホームページを見ていました。ほぼ毎日起床時、仕事開始前、昼休憩、離院時、就寝時と1日5-6回はinitial decisionのチェックをしていました(笑)。以前は「論文を国際誌に投稿したら3か月間は忘れろ! 」と言われてましたが、最近の電子投稿の場合、進捗状況が分かってしまうので、どうしても気が気でなくなるのは仕方ないですね。
その後何事もなく2月が過ぎ、3月13日に1回目の進捗状況のお伺いメール。軽くスルーされたので4月22日に2回目のメール。これまたスルーされたので、5月11日にはEditorとJFAS編集部双方に催促メールをしたところ、5月13日に編集部から「早急にお返事します」との返信をいただきました。
5月14日 Minor Revision… 予想通りReviewer #1はコメントなし。多分激しいrejectであったのであろう。Reviewer #2からは15個のコメントがありましたが、どれもacceptを前提とした建設的な意見ばかりで好意的な印象のようでした(修正、返答も容易)。Reviewer #1が✖、Reviewer #2が△◌だったのでEditorはReviewer #3に多分回したのでしょう。
Reviewer #3… Well written report. No mention of time period of pre-operative prescribed conservative treatment ? … え”っ、コメントはたったこれだけ? 神様、仏様、Reviewer #3様でしょうか。どこの誰だかわからない(double blind reviewのため) Reviewer #3様が◎と評価していただいたので判定はacceptable after revisionとなったのでしょう。
私はちょうどこの頃日本整形外科学会総会で神戸のホテルに宿泊していたので、集中合宿状態で修正原稿とResponse to Reviewersを作成、再度丸善の英文校正サービス(有料)でnative checkを済ませ再投稿へ。
6月2日 Revision Submitted to Journal
6月17日 Decision in Process… やった! かなり丁寧に返答したのでEditorがReviewerに回して再評価の必要はないと判断したのでしょう。またドキドキ期となりましたが、前回のこともあり気長に待つことにしました。
6月26日 Accept… I am pleased to tell you that your work has been accepted for publication in The Journal of Foot and Ankle Surgery. Thank you for revising your work, and for patiently waiting while we prepare page space for your report… 涙、涙、涙。この通知は何回受けても嬉しいものです。投稿からちょうど6か月、平均的だとは思いますが、やはり待つ身にとっては長く辛いのもです。
7月1日 Offprint Order… 早っ! この辺はさすがに電子投稿という感じ。大昔に学位論文でお世話になったElsevierのOsteoarthritis Cartilageでも同様でしたが、掲載された雑誌1冊は無料のようです。これは大変ありがたいことです。別刷りは当然有料ですが、PDF版を35.95米ドルでいつでもダウンロードできるので、今回も申し込みませんでした。
7月26日 Proofs available… Please respond within 48 hours… 土曜日の外来終了後にメールに気付きましたが、相も変わらずの48時間ルールは健在。幸い特に変更点はなかったですが、せめて72時間ルールにしてくれるとありがたいですなぁ。
Re: YJFAS_51713 Isolated Fifth Metatarsocuboid Coalition
Dear AC:
Thank you for your e-mail of July 26. My coauthors and I are pleased that our manuscript was accepted for publication in The Journal of Foot and Ankle Surgery. We have no corrections to make to the proof of our article (YJFAS_51713).
Thank you for your assistance, and we look forward to publishing our work in your journal.
Sincerely,
Hayato Kobayashi, MD, PhD
heisei.XXXX@YY.ZZZZ.or.jp
8月2日 Proof returned… なんと最終チェックでまたもや論文②に引き続き、EditorからKey wordの変更を要求されました(詳しくはこちら)。
8月16日 Proof available online… 論文①の実質的なゴールに到達、長かった… ところがJFASのホームページを確認してまたビックリ。EditorからKey wordをopening wedge distal tibial osteotomyからopening wedge tibial osteotomyに変更するよう要求されていたが、訂正されていない… もう一つのKey wordは変更されていたので、単なるポカではないと思われますが、もう全てが手遅れで私にとってはどちらでも良いので目をつむることにしました。
ジャーナルの論文採用率は一般的には公表されていませんが、Journal Citation ReportsによるとJFASの論文掲載数は2011年が158、2012年が174、2013年が162となっています。これに対し2013年の推定総投稿数が400前後なので、割り算をすればおよその採用率が分かるかもしれません(あくまでも私論で裏付けはないです)。ちなみに足の外科専門誌の最高峰であるFoot Ankle Int (FAI)に以前12月16日に投稿したことがあったのですが(結果はreject)、その時はMS # 633でした。FAIの論文掲載数は2011年が173、2012年が169、2013年が238なので推定総投稿数が650から700と考えると、相当狭き門ということが分かります。←これはかなり重要な裏情報? がせネタだったらスミマセン。
自分のpeer review英語論文の通算accept率は現在ジャスト4割4割1分7厘です(日本語は当然10割)。悲しいことにrejectが続いたため、最終的にお蔵入りとなった論文も2つほどあります。打率4割といえば野球選手なら強打者ですが、医者としてはインパクトファクターなどのバイアスもあり一概には言えませんが、平均的な成績ではないでしょうか。現在も1つの英語論文が審査中(7月24日accept)ですが、たとえrejectされてもスッポンのように喰らいついて行きたいです(爆)。
2015年6月23日 Print publication… 初回投稿後1年半、アクセプトから1年かかって忘れた頃にprint publicationとなった。長すぎ… たとえ20~30万のpublication feeを払っても、open access journalが流行るのがわかる気がします、皆早く決着着けたいですもんね(笑)。