先日神戸で開催された日本整形外科学会総会で大学院時代の同期K先生と久し振りに再会しました。お互いの近況報告などで盛り上がっていると、話の中で14年前に私が最初のopening wedge distal tibial osteotomyを行ったMKさん(当時48歳)が、いまだに元気にK先生の「足の外科」外来に通院していることを知りました。後日メールで送信してもらった術後14年のレントゲンを見ると✖▽(-“-)!?という感想ですが、当時私は整形外科3年目の駆け出しだったということで、厳しいご指摘はご勘弁ください(言わんとすることは分かっています)。当時は腓骨の重要性があまり認識されていなかったのでしょうか、今では腓骨をこのような低い位置で切りっぱなしにする施設はないはずです(そう信じたい)。ところがどっこい、14年経過した現在も特に痛みもなく経過は順調とのことです。確かにレントゲンを見ても短縮した腓骨遠位端(多分足関節は緩いはず)以外は問題なさそうな… 10年ほど前に大学近くのスーパーでMKさんを偶然見かけたことがことがあったのですが、60歳を超えた現在も足関節が温存されていることにはちょっと感動しました(T_T)。
昨今の研修医制度の弊害(?)で、整形外科3年目のひよっ子が難易度の高い足関節矯正骨切り術を執刀することは、残念ながら現在はないと思われます(私も上司の指示通りにココ掘れワンワン状態でしたが… )。ちなみに昔の手術記録を確認したところ、私のTNK Ankleの1例目も卒後3年目でした。当時の「足の外科」チーフのT先生が割と自由に手術を任せてくれたので(M先生に放任?)、幸い多くの良い経験が積めました。MKさんも「大学のセンセイなら腕もいいはず」と思ったのでしょうが、実際には大学や大病院には駆け出しの医師も多く、執刀医のウデは玉虫色です(爆)。医療安全という大義の元(もちろん大切なことではありますが)、難易度の高い手術にチャレンジできない現状は、ゆとり世代の若手医師にとっては、少し気の毒です(卒後5年目までは研修医扱い)。東進ハイスクールの林先生ではないですが、まさに「いつやるの?、今でしょ!」だと思います。今出来ないことは10年後も出来ない気がします(ちょっと言い過ぎた?)。