5月24日(木)~27日(日)に神戸で開催された第91回日本整形外科学術総会に参加してきました。前日の23日(水)は終日雨模様でどうなるかと思われましたが、幸い学会期間中は爽やかな5月晴れでした。
1日目… 午前8:00の開始に間に合うよう、7時過ぎにホテルを出発。高速神戸駅→三宮→市民広場→ポートピアホテルで参加登録したところ、ギリギリ8時の開演に間に合いました。
①インプラント感染… DAIR (debridement , antibiotics, and implant retention) + Modular component exchangeとintracellular S. aureusの話題でした。DEAR (debridement, exchange, antibiotics, and implant retention ?)を提唱したいとのことでした。
②外傷治療… 特に骨盤輪骨折や転子部骨折の分類、治療法についての講演でした。髄内型の骨折転位を、髄外型にover correction (transposition ?)するのがコツだそうです。そういえば最近は早期荷重に全く拘っていないので、cut out症例が10年近くいない気がする… 。
③足関節スポーツ外傷… 手術よりむしろリハビリに重点を置いた講演でした。新しいデバイスを用いたpouch closure techniqueに感銘を受けました。
④BCR-TKA… ACL-PCL温存TKAのランチョンセミナーでした。High volume surgeonが執刀しても、かなり可動域が落ちる症例があるようで、technical demandingな手術という印象でした。15年前に流行ったMIS-TKAと同じ運命となるような気がしてならないのは私だけでしょうか。
夕方の全員懇親会はパスして、三宮→元町(南京町)→JR神戸駅とぶらぶら歩いて早めにホテルに戻りました(疲れた… (-_-;))。
夜間復活したので、夕食がてらハーバーランド、メリケンパーク、震災メモリアルパーク方面に軽く走りに行きました。なんかミナトヨコハマにそっくりです(笑)。
2日目… Specialty days 足関連の一般演題が続きました。
⑤高齢者の足トラブル、⑥THAの歴史、⑦足部疾患の保存療法、⑧人工関節感染(ランチョン)… 午後は昨日からの咽頭痛が悪化したため、早目にホテルに戻って休みました。ずっと固い椅子に座っているので腰も痛い(^-^;。夜中に体調が復活したので性懲りもなく、深夜のベイエリアを走ってきました。
3日目… 朝から足のセッションが続くので、気合を入れてホテルを7時過ぎに出発しました。
⑨足関節OA、⑩足関節TAA & c-TAA、⑪Prof. Gustiloの講演でした。⑩に関して、股関節の大腿骨頭壊死が人工骨頭置換術(BHA)から人工関節置換術(THA)にシフトしたように、足関節の距骨壊死も今後TAAからcombined-TAAにトレンドが変わる気がします。⑪は開放骨折にアミノグリコシド系(?)抗生剤含有β-TCPを混ぜると、ぐっと感染率が下がるとのことでした。講演の後半はなぜか、Axis Knee Systemという、TKAの髄外ガイドの話になっていましたが… 。ランチョンセミナーは⑫Medial pivot knee system (MicroPort; Evolution)に関する話題で、大半はバイオメカの話だったため、私の理解度は✖▽〇◆でした。⑬足・足関節ポスター討論… 最後の演題で有意義な質疑応答ができました。座長と演者の先生方に謝謝です。
4日目… 7時過ぎにホテルをチェックアウトし、大きなスーツケースを引きずってJR神戸駅から三宮経由で市民広場へ… 汗だくになりました(;^_^A。
⑭変股症up to date、⑮整形外科SSI (surgical site infection)、⑯足スポーツ障害、⑰橈骨遠位端骨折(ランチョンセミナーなのに売り切れでお弁当なし!)でした。⑮に関して、最近のSSIは治療方針が確立されているので、以前のようにMRSAに感染したら(機能的に)終わりということはなくなりました。実際に当院でも、正しい抗生剤治療に加えて、創外固定、VAC療法、植皮術の組み合わせで全例なんとかなっています。あとmicrosurgeryができれば鬼に金棒なのですが、この年からの新しい技術の体得は無理でしょうね(笑)。
ランチョンセミナー終了後、15時半発のひかりで新神戸から静岡に戻りました。学会開催中の4日間は幸い天気にも恵まれ、大変有意義な時間を過ごせました。また明日から心機一転頑張ります。