先日千葉県のかずさアカデミアホールで開催された第43回日本足の外科学会に参加してきました。品川駅で新幹線から総武線の快速に乗り換え、約1時間30分で木更津に到着しました。藤枝駅からだと3時間強でしょうか。木更津駅前って… とってもローカルです。
1日目… ホテルの朝食が6時からだったので、7時始発のシャトルバスに余裕をもって乗ることができ、大変助かりました。参加登録(15,000円)の後、日整会とリウマチ学会の単位登録を終え、ついでにスライドの登録も済ませました。
①足関節果部骨折、②ポスター閲覧、③足関節OA (ランチョンセミナー)、④足関節OA(一般演題)、⑤成人期の二分脊椎の足(!?)、⑥ポスター討論etc…
⑤の成人期の二分脊椎の足に関して、以前外来診療で痛い目に遭ったことがあり、このセッションを聴講することによってその疑問点も解消し、遠路はるばる木更津まで来た甲斐がありました。“幼少期は問題なくても、成人期に顕在化する足部変形・褥瘡例はあるんです(!?)” ←意味不明
③、④、⑥に関して、近年本邦における足関節切り術は、私が中部整災誌(2012, 2013)、整形外科(2013)、整・災外科(2015)、J Foot Ankle Surg (2016)にて論文発表した(手を変え品を変えているので多重投稿ではない… と自分は思っている)、ロッキングプレートと人工骨補填材の組み合わせが主流となっているようです。今年の足の外科学会に限ると自家骨対人工骨の比率は、私の印象で1: 2から2: 3でしょうか。最近はやっと市民権を得た感じですが、2012年に芦ノ湖畔で開催された某学会では、脛骨遠位骨切り術では世界で例のない、人工骨補填材使用の是非がやり玉にあがり、“痛い目に遭うから止めておけ”とか“先生のやり方を真似する奴が出てくるから… 云々”と散々こき下ろされ、嘲笑されたのが今となっては懐かしいです。私はメーカーの回し者ではないですが、とにかく膝HTOで実績のあるTomofix smallと硬い人工骨(Superpore EX: 48MPa)の使用をお勧めします。硬くない人工骨(20MPa未満)は術中・術後に割れるのでダメです(偽関節になったことはないですが… )。それと3cm弱の小皮切で手術を行い、①剥かない、②焼かない、③苛めないことが大事です。
2日目… 6時50分頃シャトルバス乗り場に着いたら、7時始末のバスが満車だったので、7時15分発のバスに乗りました。昨日より朝イチからの参加者が明らかに多い感じでした。
⑦PTTD(3題目に口演)、⑧足関節OA(一般演題)、⑨Ankle OA(B. Hintermann)、⑩外側侵入TM TAA(ランチョンセミナー)、⑪達人のお話…
⑦で「後脛骨筋腱機能不全症に対する人工骨補填材(β-TCP)を用いた外側支柱延長術の治療成績」を口演しました。フロアと座長から複数質問があり、えがったです。その後K応足の外科の先生と場外で情報交換し、充実した時間を過ごせました。
⑨に関しては、Dr. Hintermannの論文を散々読んでいるので特に目新しい情報はなかったです。なぜかnovel double osteotomy technique (FAI 2017)については触れていませんでした。一番のトピックのはずなのに時間の関係なのでしょうか。
⑩… THAでZ社のContinuum cupを使っているので、TM(Trabecular Metal)の有用性(骨への食いつきの良さ)は感じているのですが、レジストレーションetcが必須なのでやる気が失せました。
そんなこんなで気が付いたらあたりは真っ暗となっていたので、シャトルバスでホテルに戻ってもう1泊し、翌朝ゆっくり静岡に戻りました。