足の外科虎の穴

足の外科を生業とする整形外科医 小林勇人のホームページ

TEL.054-643-1230

〒426-8662 静岡県藤枝市水上123-1

第58回日本リウマチ学会

第58回日本リウマチ学会

DCIM0108

先日グランドプリンスホテル新高輪で開催された第58回日本リウマチ学会に参加してきました。会期は4月24日(木)から27日(日)までの4日間でしたが、外来の事情で26日(土)のみの参加となりました。毎度のことですが、この学会は製薬会社が深く絡んでいるため非常にバブリーな印象があります。DCIM0107①膝関節鏡視下自己滑膜幹細胞移植術… 10年程にウサギの大腿骨骨軟骨欠損モデルで行われていた実験が、現在は実臨床で行われているようです。ペースト状に培養した滑膜幹細胞を関節鏡視下に18G針でトローって垂らしてそのまま10分間待機。高位脛骨骨切り術後の線維性軟骨ではなく、硝子性軟骨が再生するのが売りのようです。内反膝に対しては、荷重線をいわゆる膝外側ではなく中心に移動させる高位脛骨骨切り術(under correction, FTA 175°)と併用すると良い成績が得られるとのことです。

②医療安全講習会… 守りの美学 ~医療安全における専門医との連携~ リスクマネージメントに関する講演で、日本リウマチ学会専門医更新のための必修項目となっていたため、立ち見が出るほどの大盛況。会場は600名が入るホールでしたが席が全く足りず、1,500名を収容できる第1会場で行うべきでした。実際の医療訴訟の現状、医療事故後の対応、モンペ対策etc… 非常な有意義な内容であっという間に1時間が過ぎてしまいました。特にモンペを一撃で黙らせる一言は大変役に立つ(?)と思いました(笑)。出来ればそんな場面には出くわしたくはないのですが… 終了後は専門医手帳とネームカードに1人ずつハンコを押していたのですが、これがまた大渋滞となりイマイチ手際が悪い… 。日本整形外科学会のように会員カードでもあれば、カードリーダーにかざして1秒で終わるのですが… これはリウマチ学会の今後の課題でしょうか。

③高齢関節リウマチ患者の特徴… 旭化成ファーマのランチョンセミナーに参加しました。急性発症、リウマチ性多発筋痛症(PMR)様症状、低いリウマチ因子、CCP抗体陽性率などが高齢発症リウマチの特徴とのことでした。

④リウマチの外科(下肢)… 人工膝、足、趾関節置換術や足関節固定術の話題に続き、今流行りの中足骨頭を温存したlessor toe手術の講演でした。以前は主流だった第2-5趾の切除関節形成術は、今はほぼ禁忌(?)とされているようです。薬物治療が進歩したお蔭で、リウマチの足の外科にも新しい治療法が始まっているので、流れについていかなくてはならないと考えさせられました。

DCIM0109

17時に最終講演を終え、そのまま品川駅から新幹線で静岡に戻りました。GW中でしたが今年は日の並びが悪いせいか、新幹線内は家族連れが非常に少ないなぁと思いました。最近はリウマチ関連学会に少しご無沙汰していたので、久しぶりに刺激となった学会でした。

« »